議事録の例と例文:会議の種類別
議事録の例文を、会議の種類ごとにまとめました。社内会議、取締役会、株主総会、マンション管理組合、NPO法人の五つです。それぞれ「どんな場面で」「どう書くか」を表にし、各節の最後に、そのまま使えるテンプレートへのリンクを置いています。取締役会や株主総会の例文は法務局の記載例、NPO法人の例文は内閣府の定款例や都道府県の記載例をもとにしています。ページの後半では、市役所やNPOが実際に公開している議事録を、良いところと注意したい点を添えて紹介します。
例文を使う前に
- 例文は型として使う。 日時、出席者数、票数、決まったことは、必ず自分の会議のものに置き換えます。出席者数や賛否の数を例文から写したり、推測で埋めたりしてはいけません。
- 文体をそろえる。 一つの議事録の中では「です・ます」と「である」を混ぜません。文化審議会の「公用文作成の考え方」は、常体なら「である」の形を使い、一文を短く、結論を早めに書くよう勧めています。このページの例文は「である」調です。
- 法律や規約で決まった議事録は、その決まりが先。 取締役会と株主総会は会社法と会社法施行規則、マンション管理組合は管理規約、NPO法人は定款が、書く項目と署名を決めています。
社内会議の例文
社内の定例会議やプロジェクト会議は、法律で書式が決まっていません。決定事項とToDoがすぐ読み取れることを優先します。柏崎市の会議の進め方改善ガイドラインは、ToDoを担当者や期限まで書き、決定事項とともに会議直後か当日中に共有するよう勧めています。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 決まった | 勤怠システムはA社製を導入する。3社のうち費用が最も低く、今の給与ソフトと連携できるため。 |
| 決まらなかった | 継続審議。ブースの広さは、2小間の見積りがそろう次回に決める。 |
| 条件付きで決まった | 新しい価格表は11月1日から使う。ただし既存顧客には12月末まで旧価格を適用する。 |
| 報告だけ | 田中課長から資料1により、10月の受注見込み(目標の94%)を報告。質疑なし。 |
| 意見を残す | 試食コーナーを設けるなら2小間が必要との意見があった。 |
| 前回のToDoを確かめた | 前回のToDo 4件のうち3件は完了。展示会の見積りは主催者の回答待ちのため、期限を10月29日に延ばす。 |
| 社外の人が出席した | 先方の発言部分は、送付前に先方の確認を得た。 |
| 次回の予定 | 次回:10月26日(月)10時00分~ 第2会議室/Zoom。次回までに展示会ブース2小間の見積りを用意する(中村)。 |
| 結び | 以上 |
ToDoは文章にせず、表で書くと漏れません。
| 内容 | 担当 | 期限 |
|---|---|---|
| 既存顧客3社への追加提案書を作り、訪問日を決める | 山本 | 10/23(金) |
| カタログから外す3品目を製造部と物流課に伝える | 田中 | 10/20(火) |
社外の人の発言を相手に確認してもらう書き方は、国の行政文書の管理に関するガイドラインが外部との打合せの記録について定めている方法です。社内会議の議事録全体の形は議事録テンプレートの記入例で確認できます。
取締役会の例文
取締役会の議事録は、会社法施行規則第101条第3項が記載事項を決めています。次の例文のうち、冒頭、議長、承諾、結びの四つは法務局の記載例の言い回しです。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 冒頭 | 令和○年○月○日午前○時○分当会社の本店において、取締役○名(総取締役数○名)及び監査役○名(総監査役数○名)出席のもとに、取締役会を開催した。 |
| 議長 | 取締役○○○○は選ばれて議長となり、直ちに議事に入った。 |
| オンラインで出席した | 取締役○○○○は、ビデオ会議システムにより出席した。 |
| 可決した | 議長がその承認を諮ったところ、出席取締役全員の賛成により原案どおり承認可決した。 |
| 代表取締役を選んだ | 全員一致をもって次のとおり選定した。なお、被選定者は、席上その就任を承諾した。 |
| 特別の利害関係がある | 取締役○○○○は本議案について特別の利害関係を有するため、議決に加わらなかった。 |
| 反対があった | 取締役○○○○は本議案に反対した。 |
| 結び | 上記の決議を明確にするため、この議事録を作り、出席取締役及び出席監査役の全員がこれに記名押印する。 |
- オンラインなどでその場にいないで出席した取締役・監査役がいれば、出席の方法は記載事項です(施行規則第101条第3項第1号)。
- 特別の利害関係がある取締役は議決に加われず(会社法第369条第2項)、その氏名を書きます(施行規則第101条第3項第5号)。
- 議事録に異議をとどめなかった取締役は決議に賛成したものと推定されるので(会社法第369条第5項)、反対した取締役がいれば必ず書きます。
- 「席上その就任を承諾した」と書いておけば、登記申請で別に就任承諾書を付けなくてよいと、法務局の記載例は注記しています。
全体の形は取締役会議事録のテンプレートにあります。
株主総会の例文
株主総会の議事録は、会社法施行規則第72条第3項が記載事項を決めています。冒頭、開会、計算書類、承諾、結びは法務局の記載例の言い回しです。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 冒頭 | 令和○年○月○日午前○時○分から、当会社の本店において定時株主総会を開催した。 |
| 出席の状況 | 議決権を行使することができる株主の数○○名、その議決権の数○○○○個。出席株主数(委任状による者を含む)○○名、その議決権の数○○○○個。 |
| 議長と議事録作成者 | 出席取締役 ○○○○(議長兼議事録作成者) |
| 開会 | 定款の定めにより代表取締役社長○○○○は議長席につき、本定時総会は適法に成立したので、開会する旨を宣し、直ちに議事に入った。 |
| 計算書類を承認した | 監査役○○○○は、下記書類につき綿密に調査し、いずれも正確かつ適当であることを認めた旨を報告した。ここにおいて、総会は満場異議なくこれを承認可決した。 |
| 賛否が分かれた | 議長がその可否を諮ったところ、賛成1,780個、反対80個により原案どおり可決した。 |
| 役員を選んだ | なお、被選任者は、いずれも席上その就任を承諾した。 |
| 結び | 上記の決議を明確にするため、この議事録を作り、議長、出席取締役及び出席監査役がこれに記名する。 |
総会を開かずに株主全員の同意で決議した(会社法第319条)ときは、決議があったものとみなされた事項の内容、提案した者の氏名又は名称、みなされた日、議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名を書きます(施行規則第72条第4項第1号)。全体の形は株主総会議事録のテンプレートにあります。
マンション管理組合の総会・理事会の例文
マンション管理組合の議事録は、自分の組合の管理規約に従います。次の例文の条文番号は、国土交通省のマンション標準管理規約(令和7年改正)のものです。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 出席の状況 | 組合員の総数42名(議決権総数42個)。出席者数36名(議決権36個)、うち本人出席21名、委任状による出席9名、議決権行使書による出席6名。 |
| 総会が成立した | 定足数(議決権総数の過半数、管理規約第47条第1項)を満たし、本総会は成立した。 |
| 議長 | 管理規約第42条第5項により、理事長○○○○が議長となった。 |
| 普通決議 | 議長が採決したところ、賛成34名、反対2名により原案どおり可決した。 |
| 規約の変更(特別決議)の出席 | 本議案は規約の変更であるため、組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員が出席していることを確認した(組合員42名中36名、議決権42個中36個)。 |
| 規約の変更(特別決議)の採決 | 本議案は規約の変更であり、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上の賛成(賛成○名、議決権○個)により可決した(管理規約第47条第3項)。 |
| 議事録署名人 | 議長は、出席した組合員の中から○○○○と○○○○を議事録署名人に指名した。 |
| 理事会が成立した | 理事10名中7名が出席し、理事の半数以上が出席したので、本理事会は成立した(管理規約第53条第1項)。 |
| 結び | 以上の議事の経過の要領及びその結果を明確にするため、議長及び議事録署名人2名がここに署名する。 |
- 総会の議事録には、議長と、議長が指名する出席組合員2名が署名します(標準管理規約第49条)。理事会の議事録では出席理事2名です(第53条第4項)。
- 規約の変更などの特別決議では、普通の定足数(議決権総数の過半数)だけでは足りません。組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を確かめ、そのうえで出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決めます(標準管理規約第47条第3項)。
- 総会の定足数は、令和7年の改正で「議決権総数の半数以上」から「過半数」に見直されました(第47条関係コメント④)。自分の管理規約の基準で書きます。
- 議事録は組合員や利害関係人が閲覧します。閲覧用の写しでは、氏名だけでなく住戸番号など個人を特定できる情報も、必要に応じて伏せます(第49条関係コメント②)。
全体の形は理事会・総会議事録のテンプレートにあります。
NPO法人の社員総会・理事会の例文
NPO法人の議事録は、自分の法人の定款に従います。内閣府の定款例(第29条)は、日時と場所、正会員の総数と出席者数、審議事項、議事の経過の概要と議決の結果、議事録署名人の選任に関する事項を書くとしています。長野県のNPOのページは、出席者数の数え方と署名について、次のように具体的に説明しています。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 出席の状況 | 正会員総数30名、出席者数28名(うち書面表決者10名、表決委任者3名)(長野県のページの通常総会の例) |
| 議長を選んだ | 満場一致をもって○○○○が議長に選任された。 |
| 可決した | 議長がその承認を求めたところ、満場一致で本議案は可決された。 |
| オンラインで開いた | 出席者の発言が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態にあり、終始異状なく進行した。 |
| 議事録署名人 | 議長から、次の者を議事録署名人に選任したい旨を述べ、これを議場に諮ったところ、満場一致をもって次の者が議事録署名人に選任された。 |
| 結び | 以上、この議事録が正確であることを証します。 |
- 出席者数には、書面表決者と表決委任者も含めます。 上の表とは別の、長野県のページのもう一つの例では、正会員30名のうち当日出席5名、オンライン出席2名、書面表決10名、表決委任3名なら、出席者数は5名ではなく20名です。
- オンラインで開いたときは、使ったソフトの名前を書き、上の例文のように、出席者が即時に意見を交わせて会議が支障なく進んだ旨を書きます。 長野県のページは、ソフト名とこの旨を書くよう求めています。一字一句同じである必要はなく、途中で接続が切れた人がいたなど実際の状況が違えば、そのとおりに書きます。
- 「署名」と「記名」は違います。 長野県のページによると、署名は自分の手で氏名を書くこと(自書)、記名はパソコンで打つなど署名以外の方法で氏名を記すことです。どちらにするか、署名人を何人にするかは定款の「議事録」の条項で確かめます。
- 結びの「以上、この議事録が正確であることを証します。」は、内閣府の手引きと長野県、京都府の例に共通する定型句です。本文が「である」調でも、この一文はこの形で使われています。
全体の形は、マンション管理組合と共通の理事会・総会議事録のテンプレートで確認できます。
実例
官公庁や公的機関が公開している議事録と記載例です。それぞれの良いところを挙げています。全文は原本で確認できます。

浦安市
- 出席者を「市長、両副市長、教育長、総務部長…」と役職だけで並べ、幹事と説明補助員も分けている。
- 前半の「議事の概要」で全体を一覧にし、後半の「会議経過」で質問と意見を書く二段の形になっている。
- 質問と意見を「市長:」「市民経済部長:」と役職で示し、指示(「計画に示すこと」)と回答を区別している。
- 「議事の概要」が「説明があった」だけで、議題ごとに何が決まったかが書かれていない。社内会議なら、ここを決定事項の一文にする。
市 長:用地取得の状況によって、バスベイの供用開始時期が変動する可能性があることを計画に示すこと。

日本NPO学会
- 冒頭で総会の成立、議長、議事録署名人の選出を、それぞれ根拠の会則の条項とともに確認している。
- 議案ごとに説明者、質疑の有無、結果(「原案通り承認された」)を短く書いている。
- 修正して承認した議案は「一部の記載誤りを修正のうえ」と、その旨を残している。
- 出席者は「52名」だけで、会員総数や書面表決・委任の内訳がない。NPO法人の定款例の形にするなら、長野県のページのように総数と内訳を書く。
第1号議案は、一部の記載誤りを修正のうえ、原案通り承認された。

京都府
- 出席正会員数に「うち書面等表決者○○名、表決委任者○○名」と内訳を付けている。
- 議事録署名人の選任を独立した議案(第2号議案)として審議している。
- 余白の注記で「署名」なら自署、押印は定款で必要な場合、提出は謄本で原本は法人が保管、と書き方の注意をまとめている。
以上、この議事録が正確であることを証します。
取締役会と株主総会の実例(法務局の記載例の全文)は取締役会議事録と株主総会議事録の各ページに、マンション管理組合とNPO法人の法務局の記載例は理事会・総会議事録のページに載せています。書き方の手順は議事録の書き方で説明しています。
参考資料
- 会社法(e-Gov法令検索):第318条・第319条(株主総会の議事録と決議の省略)、第369条(取締役会の決議と議事録)。
- 会社法施行規則(e-Gov法令検索):第72条(株主総会の議事録の記載事項)、第101条(取締役会の議事録の記載事項)。
- 法務局「商業・法人登記の申請書様式」:1-7(取締役会設置会社・全員重任)の株主総会議事録と取締役会議事録の記載例、就任承諾書についての注記。
- 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」令和7年改正:第42条、第47条、第49条、第53条と各条関係コメント。
- 内閣府NPOホームページ「特定非営利活動促進法に係る諸手続の手引き」:定款例第29条(総会の議事録)、社員総会議事録の様式例。
- 長野県「総会及び理事会の議事録について」:出席者数の数え方、署名と記名の違い、WEB総会の議事録に書く一文。
- 文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」(令和4年1月7日):常体と敬体の統一、「である」の形、一文を短く、結論を早めに。
- 内閣総理大臣決定「行政文書の管理に関するガイドライン」:外部との打合せの記録は、相手方の発言部分を相手方に確認してもらうなどして正確性を確保する。
- 柏崎市「会議の進め方改善ガイドライン(概要版)」(令和6年3月):ToDoは担当者や期限まで書き、決定事項とともに会議直後か当日中に共有する。