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ガイド / 議事録・記録

議事録の書き方

議事録は、会議で何が決まり、誰がいつまでに何をするかを残す記録です。書き方の基本は五つあります。日時・場所・出席者・議題をそろえる。議題ごとに決定事項を先に書く。ToDoは担当と期限まで書く。「である」調で短く書く。決定事項とToDoは当日中に共有する。取締役会や株主総会、マンション管理組合の総会のように、法律や規約で記載事項と署名が決まっている会議では、それに従います。

このページの例文は、架空の食品会社の営業部の週次定例会議を使っています。同じ会議の議事録の全体は、議事録テンプレートの記入例で見られます。

議事録に書く項目

項目 書くこと
会議名・日時・場所 開始と終了の時刻。オンライン会議ならツール名
出席者 役職と氏名(敬称略)。欠席者と議事録作成者も分けて書く
議題 番号と、配付資料があれば資料番号
決定事項 議題ごとに、何が決まったかを一文で。理由は一、二文
ToDo 内容、担当(一人)、期限(日付)
議事の要旨 報告の要点と主な意見。発言の全文ではない
次回予定 日時と、次回までに用意するもの

開催日時、場所、出席者、議題の四つは、国の行政文書の管理に関するガイドラインが審議会等の議事の記録に書くよう定めている項目でもあります。社内会議でも、まずこの四つがそろっていれば後から探せます。

書く前に、議事録をどこまで書くかを決める

議事録は、会議の種類によって求められる形が違います。柏崎市の会議の進め方改善ガイドラインは、良い議事録を「会議の結論(決定事項、ToDoなど)と適切な量の議論が明記されていること」とし、議論をすべて文字起こしした議事録が良い議事録というわけではない、としています。決定事項とToDoは必ず書き、議論や質疑をどこまで残すかは、議事録が後でどう使われるかで決めます。

会議の前と最中にすること

  1. 議事録の担当を決めておく。 柏崎市のガイドラインは、議事録担当者を決め、「進行」「記録」「時間管理」などの役割を会議の前に分担しておくよう勧めています。司会と記録を同じ人が兼ねると、議論を回しながら書くことになり、どちらかがおろそかになります。
  2. 議題を先に書いておく。 会議の前に、日時、場所、会議の目的、議題を議事録に書き込んでおきます(同ガイドライン)。アジェンダの議題をそのまま議事録の議題欄に写し、議題ごとに「決定事項」「ToDo」の空欄を作っておけば、会議中は空欄を埋めるだけになります。
  3. 書いている議事録を画面に映す。 会議室のモニターに作成中の議事録を映すと、出席者がその場で確かめられ、議論がそれたり手戻りが起きたりするのを防げます(同ガイドライン)。書き手の聞き違いもその場で直してもらえます。オンライン会議なら、画面共有で同じことができます。
  4. 決まった瞬間に「決定」と書く。 同じガイドラインは、議事録はなるべく会議中に取るよう勧めています。結論が出たら、その場で決定事項の欄に一文で書きます。迷ったら「今の結論は〇〇でよいですか」と確かめます。
  5. 最後にToDoを読み上げる。 会議の終わりに、その会議で出たToDoの内容、担当者、期限を全員で確かめます(同ガイドライン)。
会議の前に書いておくもの 会議中に書き足すもの
会議名、日時、場所 開始と終了の時刻
出席予定者 欠席者、遅れて来た人
議題(アジェンダの順) 議題ごとの決定事項
前回のToDo ToDoの進み具合、新しいToDo(担当・期限)
次回の予定(決まっていれば) 次回の日時と、それまでに用意するもの

会議中は印を付けて書き分ける

発言を順に書き取るより、議題ごとに次の印を付けて書き分けると、後で清書するときに迷いません。

印 書くこと 例
【決定】 何が決まったかを一文で 【決定】掲載商品を18品目から15品目に絞る。
【ToDo】 内容、担当(一人)、期限(日付) 【ToDo】3品目の終売を製造部に伝える。田中、10/20
【持ち越し】 決まらなかったことと、次回に何を持ち寄るか 【持ち越し】ブースの広さ。2小間の見積りがそろう次回に決める。
【確認】 数字や固有名詞、聞き取れなかったところ 【確認】見積りの金額は税込か。

【確認】の印を付けたところは、会議の最後か終わった直後に担当者に聞きます。

録音とAIの文字起こしを使うとき

録音は、聞き逃したところを後で確かめるのに役立ちます。浜松市の要綱は、会議録の記載事項に「録画又は録音装置を使用した電磁的記録の有無」を挙げています。録音したなら、議事録にもその旨を書いておくと、後で内容を確かめるときの手がかりになります。

録音から文字起こしをするときは、誰の発言かがわからなくなりがちです。柏崎市のガイドラインは、音声から文字起こしする際は、名前を呼んでから発言を求めると発言者が明確になる、としています。司会が「では山本さん、お願いします」と名前を呼んでから発言してもらうだけで、文字起こしの手間が大きく減ります。

AIの文字起こしや要約のツールは便利ですが、会議の内容をツールに渡すことになります。個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用について次のように注意を呼びかけています(令和5年6月2日)。

社外の人が出る会議や人事の話が出る会議でツールを使うなら、自分の会社のルールと、ツールの設定(入力した内容を学習に使うかどうか)を先に確かめます。AIがまとめた決定事項やToDoは、そのまま送らず、担当者名や期限、数字を会議の記録と突き合わせてから共有します。

決定事項とToDoの書き方

決定事項は、議題ごとに「何が決まったか」を最初に書きます。結論を早めに示し、続けて理由や詳細を書くのは、文化審議会の「公用文作成の考え方」が勧める書き方です。

悪い例 良い例
年末ギフトカタログについて意見交換した。 掲載商品を18品目から15品目に絞る。外す3品目は、昨年の販売数がいずれも50個未満だった。
展示会のブースは検討中。 継続審議。1小間か2小間かは、2小間の見積りがそろう次回に決める。
受注の不足分は各自で対応する。 差額の約320万円は、第二課の既存顧客3社への追加提案で埋める。

ToDoは「何を」「誰が」「いつまでに」を一行ずつ書きます。柏崎市のガイドラインも、ToDoは担当者や期限まで書くよう勧めています。

内容 担当 期限
既存顧客3社への追加提案書を作り、訪問日を決める 山本 10/23(金)
カタログから外す3品目を製造部と物流課に伝える 田中 10/20(火)

担当を「営業部」「各自」のようにすると、誰も動かないことがあります。担当は一人にし、期限は「来週中」ではなく日付で書きます。

文章のルール:「である」調で、短く、結論から

文化審議会の「公用文作成の考え方」は、議事録について「元の内容を正しく保ちながら、簡潔に分かりやすくまとめるよう努める」としています。同じ文書から、議事録に使えるルールを挙げます。

話し言葉を議事録の文に直すと、次のようになります。

発言:「えーと、2小間の見積りがまだ来てないので、ちょっと今日は決められないですね。来週もう一回やりましょう」

議事録:継続審議。2小間の見積りが届いていないため、次回に決める。

出席者は役職と氏名を書き、「様」「さん」は付けずに「出席者(敬称略)」とします。日本学術会議の議事要旨でも「出席者(敬称略、あいうえお順)」と断ってから並べています(下の実例)。

会議が終わったら:当日中に共有し、確認をもらう

  1. 【確認】の印を片付ける。 聞き取れなかった数字や名前を、担当者に確かめます。
  2. 決定事項とToDoは当日中に送る。 柏崎市のガイドラインは、決定事項とToDoをできるだけ会議直後か当日中に共有するよう勧めています。清書に時間がかかるときは、決定事項とToDoだけ先に送ります。
  3. 社外の人の発言は相手に確認してもらう。 国の行政文書の管理に関するガイドラインは、外部との打合せの記録について、相手方の発言部分を相手方に確認してもらうなどして正確性を確保するよう定めています。取引先との打合せの議事録でも、送る前に相手の発言部分を確かめてもらうと、後の行き違いを防げます。
  4. 次回の冒頭で前回のToDoを確かめる。 前回のToDoの進み具合を最初に確認すると、議事録が次の会議につながります(柏崎市のガイドライン)。

法律や規約で書き方が決まっている議事録

次の会議では、記載事項、署名、保存期間が法律や規約で決まっています。

実例

公的機関が公開している議事録から、書き方の参考になる三つを挙げます。

大阪市教育委員会「第6回教育委員会会議」会議録(2026年5月12日)

案件ごとに「議案第44号」と番号と件名を書き、結果を一文で締めています。冒頭では会議録署名者を指名したことを記録しています。

採決の結果、委員全員異議なく、原案どおり可決。

出典:大阪市ウェブサイト(CC BY 4.0)

デジタル庁「第5回 先進的AI利活用アドバイザリーボード」議事要旨(2026年7月14日)

冒頭に日時、場所、議事次第、配付資料の一覧があり、本文では「資料1により報告した」と資料番号で対応させています。質疑は「(○○構成員)」「(事務局)」と発言者を括弧で示し、質問と回答を対にしています。決定事項とToDoの欄はないので、社内会議で使うならその二つを足します。

出典:デジタル庁ウェブサイト(公共データ利用規約 第1.0版)

法務局「取締役会議事録」の記載例

登記申請に添付する議事録の例です。冒頭の一文に日時、場所、出席した取締役・監査役の数と総数、開会と散会の時刻をまとめ、結果を「全員一致をもって次のとおり選定した」と言い切っています。

上記の決議を明確にするため、この議事録を作り、出席取締役及び出席監査役の全員がこれに記名押印する。

出典:法務局ホームページ「商業・法人登記の申請書様式」(公共データ利用規約 第1.0版)。記載例の全文は、上で紹介した取締役会議事録のページの「実例」に載せています。

参考資料

このガイドで使うテンプレート

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